12年振りに行われるコンクラーベをご存じでしょうか?
カトリック教会の新しい教皇を選出する選挙になります。
前回選出された、フランシスコ教皇の死去に伴い今回行われます。
厳正を保つために選挙中は外部との接触を一切できない状況になります。
下記で解説しています。
コンクラーベとは新しい教皇を決める選挙
- コンクラーベ(Conclave)はカトリック教会の新しい教皇を選出するための選挙
- 「コンクラーベ」はラテン語で「鍵をかける」という意味
- 選挙は厳重な秘密の下で行われる
- バチカン市国のシスティーナ礼拝堂で実施
- 80歳未満の枢機卿(すうききょう)たちが投票
- 新しい教皇が選ばれると、白い煙がシスティーナ礼拝堂の煙突から上がる
なぜ今回行われる?
今回のコンクラーベは、フランシスコ教皇の死去に伴い、新しい教皇を選出するために行われます。この選挙では、同性カップルへの祝福や女性の要職起用など、フランシスコ教皇の改革路線が引き継がれるか、伝統を重んじる保守派が巻き返すかが焦点となっています。
前回は2013年に行われた
前回のコンクラーベは2013年に行われました。
この時、フランシスコ教皇が選出されました。選挙は2日目の5回目の投票で決まりました。
フランシスコ教皇の前任者はベネディクト16世です。
ベネディクト16世は2005年から2013年まで教皇を務めました。
彼は高齢を理由に退位し、その後フランシスコ教皇が選出されました。
コンクラーベとは他の言語では?
- 英語: Conclave
- フランス語: Conclave
- スペイン語: Cónclave
- イタリア語: Conclave
- ドイツ語: Konklave
前回から変更点
前回のコンクラーベから選出方法に大きな変更はありませんが、いくつかの細かい規定が更新されています。
例えば、投票の手順や枢機卿の年齢制限などが見直されました。
具体的には、80歳以上の枢機卿は投票に参加できないという規定が強化されました。
また、投票の回数や手順についても詳細な規定が追加されています。
詳細の手順
コンクラーベの投票手順と回数については
- 初日: 午後に1回の投票が行われます。
- -2日目以降: 午前に2回、午後に2回の計4回の投票が行われます。
- 3日間で決まらない場合: 最大1日の祈りの期間をおいてから、同じ手順で選挙を続けます。
- 7回の投票で決まらない場合: 再び1日の祈りの期間をおいて、さらに7回の投票を行います。
- それでも決まらない場合: 1日の祈り、考察、対話の期間をおいてから、前回の投票で上位2人の得票者について決選投票を行います。この決選投票では、投票総数の3分の2以上の得票を得た人が選出されます。
投票は無記名で行われ、枢機卿たちは自分が新しい教皇にふさわしいと思う枢機卿の名前を書いて投票します。新しい教皇が選出されると、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がります。
投票手順の大きな変更は1996年
コンクラーベの投票手順に関する大きな変更は、1996年にヨハネ・パウロ2世によって発表された「Universi Dominici Gregis」という使徒憲章で行われました。
この憲章では、投票手順や枢機卿の年齢制限などが詳細に規定されました。
その後、2013年にベネディクト16世が一部の規定を更新しましたが、基本的な手順は大きく変わっていません。
トイレや食事は?
コンクラーベ中の枢機卿たちは、外部との連絡を一切断たれた状態で生活します。以下のように、トイレや食事の面でも特別な配慮がされています:
– **トイレ**: システィーナ礼拝堂内や近くにトイレが設置されており、枢機卿たちは必要に応じて利用できます。
– **食事**: 食事は専用のスタッフによって提供されます。食事の質や量は通常の生活と変わりませんが、選挙が長引くと食事の量が減らされることもあります。
– **外部との連絡**: コンクラーベ中は、手紙、電話、インターネットなど、あらゆる外部との連絡手段が遮断されます。これにより、外部からの影響を排除し、選挙の公正さを保つことが目的です。
日本人はいますか?
今回のコンクラーベには日本人枢機卿が2名参加しています。東京大司教の菊地功氏(66歳)と大阪高松大司教の前田万葉氏(76歳)です。両名ともに80歳未満のため、投票権を持っています。
何日くらいかかる?
コンクラーベの期間は状況によって異なりますが、通常は数日以内に新しい教皇が選出されます。例えば、前回のコンクラーベは2日間で決まりましたが、過去には数週間かかった例もあります。最も長いものでは、1268年から1271年にかけて約3年間続いたこともあります。
■何人の中から選ばれる?
今回のコンクラーベには、80歳未満の枢機卿133名が参加しています。彼らが新しい教皇を選出するために投票を行います。
枢機卿とは(すうききょう、英語: Cardinal)
枢機卿(すうききょう、英語: Cardinal)は、カトリック教会における高位聖職者で、教皇の最高顧問です。以下のような役割と特徴があります:
– **教皇の補佐**: 枢機卿は教皇を直接補佐し、重要な案件について助言します。
– **教皇選挙**: 枢機卿だけが教皇選挙(コンクラーベ)に参加し、新しい教皇を選出する権利を持ちます。
– **職階**: 枢機卿は司教枢機卿、司祭枢機卿、助祭枢機卿の3つの職階に分かれています。
– **任命**: 枢機卿は教皇によって任命され、通常は司教の叙階を受けた聖職者から選ばれます。
– **衣装**: 枢機卿は緋色(カーディナルレッド)の聖職者服を身にまといます。この色は信仰のために命を捧げる決意を象徴しています。
■派閥は保守派とリベラル派
– **保守派**: 伝統的な教義や慣習を重視し、教会の保守的な立場を維持しようとするグループ。
– **リベラル派**: フランシスコ教皇のように、教会の改革や現代社会への適応を推進するグループ。
これらの派閥は、教会の方向性や政策について異なる視点を持っており、コンクラーベでの議論や投票に影響を与えます。